こっちむいて伏見!
あれから何日か過ぎたけど。
アイツは長かった髪に特に思い入れもなかったようで
毎日、相変わらず、笑っている。
「……」
いや、もういい。
考えるの面倒臭い。
こんなこと考えたって俺の特になんかなりはしない。
首を左右にぶんぶん、と振ってさっきまでの思いを一掃する。
でもー。
「……、俺は借りは作らない主義なんや。
そやから…」
俺は開けようとしていたハードディスクをまた元に戻し、
立ち上がり、財布を手にとって部屋を出る。
階下へ向かいながら、財布の中身を確かめる。
2000円か。
それくらいあればなんとかなるか。
そう思い、玄関を出る。