こっちむいて伏見!
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「いらっしゃいませ」
こういう店、自分にはあわないと思う。
ものすごく居心地が悪い。
やってきた新京極にあるその店は自分と同い年くらいの女子がたくさんいた。
彼女たちは飾られたヘアアクセサリーやネックレス、
イヤリングなどの装飾雑貨を楽しげに眺めたり、
購入したりしていた。
早く、帰ろう。
そう思いながら適当に何かないかと物色する。
他の女子たちの視線がすごく気になる。
絶対にこの場に似合ってないと思っているだろう、
そんなこと自分でもよくわかっている。
「なにか、お探しですか?」
「えっ!!」
急に店員に話しかけられ、
びっくりして振り返る。
そこには営業用スマイルで応対する大学生くらいのアルバイトらしき、
女のひとが立っていた。