こっちむいて伏見!

「なっ…、なにかって…」


こういうとき、
なんて答えたらいいんだ?


「彼女さんへのプレゼントですか?」


「そんなんじゃないですっ!
ち…違いますっ!」


大きな声で否定する俺に周りのひとたちがこちらを一斉に見る。

うわ、失敗した。


「あ、あっと…スミマセン」


思わず店員に頭をさげる。


「ああ、そんな、こちらこそスミマセン」


そう言って店員も苦笑しながら答える。



「あの…、実はお詫びの品を買いに…。
自分のせいでクラスの女の子の髪を切らせてしまうことになって…」


なに、馬鹿正直なこと言ってんだろう。

そう思いながらもどうしていいかわからず、
その店員にコトの顛末を説明する。






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