こっちむいて伏見!


「そうだったんですか。
それで…彼女は長い髪でいたかったんですか?」

その店員の言葉で俺は短くなった髪型の深草を思い出す。


「そうかもしれないです。
でも別に俺は彼女が短い髪でも…」


そこまで言って口をつぐむ。

ちょっと、待て。

今、なんて言おうとした?


短い髪でも?


なにか、すごく変なことを言おうとしたんじゃないだろうか。




「…短い髪でも可愛いんですね?」


「!!!」


その言葉に口から心臓が出てしまうほどにびっくりしてしまう。


そしてそんな姿の俺に店員は笑いを堪えるのに必死になっているようだった。


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