こっちむいて伏見!
「それでしたら、
髪飾りをプレゼントされてはいかがですか?」
そう言いながらたくさんディスプレイされたところへ案内された。
「うわ、たくさん…ですね」
「そうですね。
この中から彼女に似合うもの、
見つけてはいかがですか?」
壁にかけるようにたくさんのヘアゴム、カチューシャ、クリップ…。
下の棚を見ても所狭しと飾られている。
同じように見ている女子たちの視線が気になる。
「これ、可愛いなあ」
「うん、こっちも見て?ほら」
「きゃー、このモチーフ見てってー」
決して自分のことを言ってはいないのに気になって仕方ない。
アイツ…。
髪は漆黒のようだから。
赤い色が映えるかもしれない。
そしてふと見つけた赤チェックのチロリアンテープがモチーフのバレッタ。
手に取り、
じっと見つめる。
それをつける深草を想像して、
なぜかどきどきしてくる。
…なぜだ?
特に意味はない、はずだ!!