こっちむいて伏見!


「それでしたら、
髪飾りをプレゼントされてはいかがですか?」


そう言いながらたくさんディスプレイされたところへ案内された。


「うわ、たくさん…ですね」


「そうですね。
この中から彼女に似合うもの、
見つけてはいかがですか?」


壁にかけるようにたくさんのヘアゴム、カチューシャ、クリップ…。
下の棚を見ても所狭しと飾られている。


同じように見ている女子たちの視線が気になる。

「これ、可愛いなあ」

「うん、こっちも見て?ほら」

「きゃー、このモチーフ見てってー」



決して自分のことを言ってはいないのに気になって仕方ない。



アイツ…。

髪は漆黒のようだから。

赤い色が映えるかもしれない。



そしてふと見つけた赤チェックのチロリアンテープがモチーフのバレッタ。


手に取り、
じっと見つめる。


それをつける深草を想像して、
なぜかどきどきしてくる。


…なぜだ?


特に意味はない、はずだ!!







< 172 / 378 >

この作品をシェア

pagetop