こっちむいて伏見!


やがてやってきた地下鉄に乗り込み、
つり革につかまりながら先輩はアタシに言った。


「今、大阪駅って百貨店とか、駅とか
たくさん工事してるからなぁ。
変わり様にびっくりしたんちゃう?」


「あ、そうですね。
ホント、びっくりですよ」


アタシはそう答えながらドアにもたれて外を見つめる伏見を見た。

地下鉄の外なんか、
なんにも見えないじゃない。

バカじゃないの。



「これからまだまだ変わってくと思うけどな…」


そして先輩は伏見を見て苦笑する。


「なんか、変やな?
あんなんやったっけ?
アイツ」


あ、先輩もやっぱりそんな風に思うんだ。

どうやら変だと思ったのはアタシの思い違いではないようだ。



そして
そんな先輩の言葉にアタシもつられて苦笑する。




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