こっちむいて伏見!


さっき、腕を掴んでこのコンビニのトイレまで連れて行ってくれたり、
自分のハンカチ貸してくれたり。

そして、
一緒に笑って。


今、こうして駅に向かいながら、
歩幅を合わせてくれている。


だから、
アタシ、
昨日よりも今日、
ずっと好きになってる。


きっと明日は今日よりもっと好きになってる。



「伏見は…
家、どこ?」


アタシたちは迷いながらもどうにか、
地下鉄の日本橋の駅までとりあえず戻って来た。



「四条烏丸…」


「アタシは太秦やから阪急電車で、
途中までは一緒やね」


途中まではどうにか一緒に帰れるんだ。

よかった。

どうやってアタシ帰ったらいいのかわからなかったし。



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