こっちむいて伏見!
「わっ!」
アタシは空を見上げながら歩いていたせいでちょうど地上に
上がった時の地面の段差に気づかず、
つまづいてしまった。
こけるっ!
思わず、そう思った時、
隣からすっと手が伸びてアタシを支えるようにして助けた。
「…伏見?」
「あっ!おいっ!
違うからな!
別に深い意味はないねんから…!」
彼はアタシがちゃんと立ったことを確かめ、
急いで腕を払う。
「もう…」
思わずムッした顔で言ってしまう。
すると彼はそんなアタシを見てため息をつく。
「…なんで、深草は…」
そして呆れながら頭をかいた。