こっちむいて伏見!


まあ、いいけどさ。


再び空を見上げると夜空、

外はもう真っ暗。


「もう真っ暗になってしもたね…」


真っ暗だけど街灯のせいで周りはとても明るい。


四条大宮も河原町と同じくらいににぎやかな場所だ。

そして夏休みのせいかまだ人もたくさん歩いている。

大阪と同じように。

でもここにいるとやっぱり地元のせいか、
落ち着くなあ。



「でも昼間と賑やかさはあんまりかわらへん…」


彼がアタシと同じように周りを見ながら答える。


彼の背の高い横顔を見ながら、
名残惜しいけど。

もう帰らなきゃ、ね。


そして
アタシは彼の前を大きく手を振ってさっさと歩き始める。


あれ?
ちょっとだけアタシ浮かれてる?


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