こっちむいて伏見!


そう思ったら少しさみしくなったから。


少しだけ。


いいかな。


そう思いながらアタシはそっと彼の背中に手をまわしてみる。

怒られるかな…。




でも。

あれ、伏見…?

反応がない?



それどころか、
しばらくそのままの状態で彼も動かなかった。



どうしてだろう。

いつもなら、
近付くなって言って怒るくせに。


どうして怒らない?
どうして突き放さない?


もしかして怒りを超越してしまってるとか。


そう思ったらなんとなく彼の表情が気になってふと見上げた。


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