こっちむいて伏見!
ひとが流れ始めやっと気を取り戻したのか
「っ!!おっ!
オマ…!!なっ…」
伏見は急に意識を取り戻したように、
アタシを両手で押し返し、
真っ赤な顔をして言葉にならない言葉を発する。
あ、やっぱり。
気づいた…。
これっていつもの伏見だ…。
今までのこの時間、
彼の意識はどこへ飛んでいってたんだろうか?
アタシとしばらく抱き合ってるような状態になってたこと
気づいてなかったんだろうか。
空っぽになってた?
いや、
でも、
わかってないならそんなに慌てふためくこともないでしょ。
目の前で手を振りながらごちゃごちゃ言ってる伏見を
アタシはぼんやりと見つめる。