こっちむいて伏見!
アタシたちが言い争いになりかけたとき部室のドアが開く。
伏見とアタシが同時に、
ドアの方を見るとくすくす笑いながら藤森先輩が立っていた。
「オマエら本当に仲ええよな?」
「そんなんじゃないです!」
即、否定する伏見。
一瞬、カチンときたものの。
今、こうして先輩に訴えてる姿とか、
こういうのっていつもの伏見だけど。
さっきの。
ふたりでいたときの。
なんとなく、
彼の言葉が気になった。
『…俺さ、深草のこと…』
なんなんだろう。