こっちむいて伏見!
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「あー、終わった、終わった。
楽しかったなあ」
先輩は大きく伸びをしながら嬉しそうに笑う。
本当に嬉しそうだな。
「…ありがとうな?」
先輩は改めて伏見とアタシにお礼を言う。
「…?」
不思議そうな顔をするアタシたちに先輩は笑いながら言った。
「せっかくさ、
こうしてクラブやってても学祭とは縁なかったやん?
でも一回、やってみたかってんなあ」
先輩はしみじみとする。
「他のクラブが羨ましかったんやろと思うねん、
ええ思い出できたわ。
まあ、伏見を強引に誘い込んだのは悪かったけどさ」
「そ、そんなことないですっ、
俺も…楽しかったですから!」
「え?」
「そうなの?」
先輩とアタシは同時に答える。