こっちむいて伏見!
「そうや!
記念に写真撮ろ!
デジカメあるし…」
先輩はそう言いながら荷物をまとめてあるところへデジカメを取りに行った。
「なあ、伏見?」
アタシはさっきのやけどしそうになったとき、
言われた彼の言葉を確かめたくて声をかけた。
かけたものの、
なんて言っていいかわからないけど。
どうせ違う、
なんて否定されてそれで終わりだろう。
「?…」
無言のまま、
伏見がアタシのほうを見る。
「…あー…、
なんでもない。
もう、いい」
アタシは言葉を止めた。
少しして
先輩がカメラを手に持って電源を入れながら戻ってきた。
「じゃ、
最初にオマエらふたりから撮ったるわ」
「わっ…!いいです、
俺いらないです!」
伏見は両手を振って拒否する。
そう、
いきなりですか。