こっちむいて伏見!


なんだか、
時間が止まったくらいに動けない。


どうにか、
伏見をちらっと見る。


彼も一瞬彼の手が止まったように感じたけれど、

やっぱり気のせいだったのか

少ししてパソコンのキーボードを叩く音が聞こえる。



アタシはようやく気を取り直し、

「…せっ…先輩、
これっていつもの…」


アタシは先輩にいつものように笑って誤魔化そうとした。


でも。

あっけなく。


「俺、本気なんやけど?」


う。

ちょっ…と…。


どうにかこの場を和ませようとしてるのに。


藤森先輩はにこにこしながらアタシを見る。

伏見は背中しか見えないけど、
キーボードを叩いているようだ。


アタシは…。


っていうか、

アタシだけがこの場がヤバイと思ってるわけ…?
なんでしょうか…?


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