こっちむいて伏見!


いつまでも黙ったままのアタシに先輩は繰り返して言った。



「だから
本気で深草のこと、好きなんやけど?」


いや、
だから繰り返すことじゃないでしょ。


過去に伏見の気を気を引かせるためにそんな感じのことを
言ってたことあったけど。


どう考えても、
今回はなんかちょっと違う。


さっきだって「本気」って言ってたし。


伏見、何か言ってくれないだろうか。


もし、
なんでもいいから一言、
あれば…。


せめて、
今の表情がわかれば。


でもその願いも虚しく。



< 270 / 378 >

この作品をシェア

pagetop