こっちむいて伏見!


そのことを不快だと思うことがなくなった自分がいた。


…そう、
そうだ。


そう思うようになってからおかしくなっていったんだ。


いつも平気で邪魔だと怒鳴り散らすことができていたのに、
それができなくなった。


今まで何も考えずに彼女に接していたのに、
そんなことに気づいたらどうしたらいいのかわからなくなった。


だから深草が話しかけてきても知らん顔することが増えた。



そしたら。

今度は時折見せる彼女の寂しそうな表情が気になって。


謝ったほうがいいのか、
どうか。


戸惑えば戸惑うほどに謝り方さえわからなくなって。



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