こっちむいて伏見!


アタシが拒絶してるってのが
わからないんだろうか、
コイツ。


鈍すぎるにもほどがある気がする。


もう考えるの、
しんどいから近づいてこないで欲しいんだけど。


気になるのは気になるけど。

想いはできるだけ遠くに置いておきたい。



「えっと…」


少しして彼がなにか言いかけたとき、
アタシはまた悪いこと言われるんじゃないかって思った。



そしたら居ても立ってもいられなくなって思わず、
彼の言葉を遮った。


「寄るな、近づくなっ!」


そして席を立ち上がり、
その場から離れた。



そんなアタシの態度に
ぽかんとした表情で突っ立ったままだったのがわかったけど。


知らない。


そんなの、
知らないもん。


< 316 / 378 >

この作品をシェア

pagetop