こっちむいて伏見!
伏見のこと、
知らないままでいたほうがよかったのかな。
そしたら
こんな想い、
しなくてすんだのに。
でも。
今はこんななっちゃったけど。
一緒にいたときは楽しかったもん。
いろんなこと、
考えながらどれくらいの時間、
ぼんやりとしていただろうか。
「さて、帰るか…」
そうつぶやいて部屋を出ようと振り向いた時、
ちょうど伏見がドアを開けて入ってくるところだった。
伏見はアタシがいたことに少し驚いたような顔をしたけれど、
何も言わずそのまま机の上にカバンを置いた。