こっちむいて伏見!


「ちょっと購買行ってて…。
あ、これやる」


先輩はそう言いながら
持っていたチョコレート菓子をアタシに渡した。



「わ、いいんですか?
ありがとうございます…」



それまで
緊張していたけれど
そんな先輩の姿に少し安堵した。



「それで…用事?」


「あの、返事、
遅くなってごめんなさい…」



「返事?
考えてくれたんや?」


先輩は嬉しそうにアタシに言う。

その笑顔に胸の奥がチクリとする。



そして
アタシはゆっくりと言った。


「…先輩と付き合おうと思って…」



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