こっちむいて伏見!
アタシが伏見と初めて出会ったのは、
2年1学期の始業式の日。
1年生の時の元教室のドアに張り出された、
新しいクラス替えの用紙。
学校に着いたのがいつもよりも遅く、
慌てて貼り出された用紙を目を凝らして確認し、
よし、3組!
アタシは急いで廊下を走り、新しい教室へ急ぐ。
慌てながらもこころ浮かれて。
だって、
新しいってダイスキだもん。
何もかも新品で。
なんとなく嬉しくなってしまう。
それに嫌なことがそれまでにあったとしても、
リセットされてやり直し可能!
なにかいいこと起こる予感を抱き、
背中まで伸びた髪を揺らしながら廊下を走っていると
彼とぶつかった。