こっちむいて伏見!
「うーん、クラブ入ろうかと思って。
で、マユコは電脳部の顧問の先生か部長って知ってる?」
「電脳部?なんじゃそれ?
そんなクラブあんの?」
やはり、マユコも初めて聞くようで目をぱちくりとさせる。
「うーん、伏見がいるからさ」
「はあ、はあ、そうですか。
でもなんでそこまであんな無愛想男にご執心なんですかねえ?」
マユコは呆れ顔で答える。
「ええやん、別に」
相変わらず、マユコは伏見に対していいようには思っていないようだった。
無愛想で気難しそうで…。
まあ、クラスのほかのみんなもそうだろうけど。
「伏見のこと、マリノのただの気まぐれやと思ってたけど
まだ諦めてへんかったん?」
「気まぐれちゃうもんね」
「ホンマ、アンタってようわからへんわ…。
っていうか電脳部についても全くわからへんし、
なんでマリノの知らんこと、
アタシが知ってんの?
伏見に聞けばええやん」
う。
そんなこっちが聞いてるのに質問で返されても。
ま、答えが返ってくるとは期待してなかったけどさ。