こっちむいて伏見!
「彼には事情があって聞かれへんの!」
「ふーん…」
マユコは返事ともうなり声とも取れないような声で答え、
腕を組んで天井を眺め考えるそぶりを見せる。
そしてあっという表情をしながらアタシの頭をぽんと叩く。
「あー…そうやん、
部長とか先生探すよりもさ、
…生徒会に聞けばどっちも見つかるんちゃう?
生徒会ってクラブも管理してんねんからさ?」
彼女の答えにアタシもああ、と納得する。
「なるほど、さすがマユコ!」
「…そんなさすがって言われるほどのことでもあらへんって」
アタシは彼女がそう言い終わらないうちにガタン、
と席を立ち上がる。
「え?どこ行くんって!」
「生徒会室!」
彼女にそれだけ答え、
アタシは教室を出る。