こっちむいて伏見!




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走って3階の教室から2階にある生徒会室まで


慌ててきたけれど考えたら昼休みって誰かいるのかな。



アタシはドアの上にある

「生徒会室」

と書かれた札を見上げて思った。



まあ、せっかく来たんだし、
そのまま黙って帰るよりとりあえず声かけてみるか。


「うん」


そしてドアをノックしようと…。


ん。

なに、この緊張。


職員室並みに緊張する。


中に誰かいたとしても同じ学生なのに。


やっぱり生徒会長とか副会長とか、

なんていうかしっかり、きっちりとしたオーラのある学生がいるからかなあ。



アタシは意を決して…というのも大げさだけれど。

ドアをノックする。


「……」


かすかに物音はするけれど返事がない。


今度は、さっきよりも強めにノックする。




「はぁい…誰ー…?」


男のひと?
にしてはなんだか頼りない声だなあ。


アタシはとりあえず返事があったからドアを開けて中へと入る。


「失礼します…あの、」




ふと視線を正面、

部屋の中央に置かれたテーブルの席のほうに向けると

そこにはいたのは紫色のネクタイをした男のひと。



眠たそうな顔をして。




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