こっちむいて伏見!
伏見の焦る表情が可愛い。
「だから!
なんでオマエはそんなにいっつも近いねん!!」
精一杯の抵抗をする彼にアタシは全然余裕だ。
「だって、近くないとぼやけて見えるんやもん」
「そしたらメガネでもかけたらええやろがっ!」
「メガネ似合わへんからキライ。
もう!
そんなんどうでもええからこれ!
食べて!」
アタシは必死になってクッキーを1枚つまんで、
押さえつけている彼の口に放り込もうとした。
するとそのとき、
横からすっと手が伸びてきた。
「え?」
「あ!」
伏見とアタシは同時に声をあげて手の方向を見る。