こっちむいて伏見!


うーん、わかんないかなあ。

アタシがここまでの出来事をどう説明すればわかってもらえるか考えてると



「コイツが勝手に寄ってきてるだけですから!」


伏見のほうが先にアタシを指差しながらそう言った。



「ちょっと!伏見っ!
アタシが伏見のこと好きなん知ってるやろ?
そしたら勝手にとか、
そういうんちゃうやん?
わかってるはずやんか!」


アタシも思わずまくし立てるように言い返す。

到底、どう考えても好きなひと相手に言うような言葉じゃないと思うけど。


「なんやて!?」


「まぁまぁ…、
落ち着いて…」


藤森先輩はやっぱり面白そうに笑いながらアタシたちの間を割って入ってきた。


「とにかくさ、伏見、
美味しいから食べてみたらええねん?」


「…結構です…」



ほんと、どこまで強情なんだ、コイツは。


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