こっちむいて伏見!

「……」


伏見は先輩の声が聞こえてるはずなのに、

アタシたちに背を向けて、
何か部品を分解している。



「ホンマ、伏見って愛想ないなぁ。
可愛くないなあ」


先輩が椅子に座ったまま、大きく背伸びして言う。

そして伏見の方をちらっと見るけれど、
彼は全く反応なし。


藤森先輩は、はは、と苦笑しながらさっきの続きを話し始める。


「ホラ、深草が入部届持ってきてくれたときにも言うたやんか?
俺ってほとんど幽霊部長って。
でもこんな頑張って抜けてまで来るは深草が入部してくれたからやで?」



「どうして…アタシ、ですか?」


部室を掃除する手を止めて先輩の方を見る。


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