こっちむいて伏見!
藤森先輩…。
あ、そういうことでしたか。
でも甘いですよ。
全くをもって甘いですよ。
そう簡単になびくような奴じゃないですからね。
「伏見はそう簡単にはいきませんよ。
アタシもいろいろやってみてるんですけどね、
イマイチ反応が悪くて…」
余計なこと言うとまた伏見は怒るだろうから、
藤森先輩にだけ聞こえるようにヒソヒソと答えた。
「……」
ん?
伏見の後ろ姿、
こころなしか肩が震えてるように見えるけど?
そう思った瞬間、
伏見が急に振り向いて怒鳴った。
「もうちょっとクラブ活動らしいこと、
したらどうなんですか!
先輩も来たってコイツとしゃべってばっかじゃないですかっ!」
「悪い?」
先輩は悪びれもせず答える。
「悪いです!」
そして伏見はそんなのんきそうに答える先輩に間髪入れず、
ドライバーを持ったまま即答する。