こっちむいて伏見!

ちょうどそのとき、
ドアが開いて接着剤を持ってきた伏見が帰ってきた。


「…ただい…ま…
…わっ?!」


彼は驚き、そして大声を出す。


「?」


何、驚いているんだろう?

なんか変?

っていうか髪に接着剤ってそんな驚くこと?



しばらく続く沈黙。


彼は驚いた顔をして先輩と

アタシの姿を見つめていたがそれは少しづつ不機嫌な表情になる。


な、なに?
どうなってんの?



「あの、…」


アタシがそう声をかけると言葉を遮るように伏見は怒鳴るように答える。


「失礼しましたっ!」



「え?」



伏見は明らかにさっきよりももっと不機嫌な顔を見せてドアを

バシン!

と勢いよく閉めて出て行ってしまった。




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