眠れぬ森
ほどよい冷たさのワインが喉の奥を通る。
おいしい。
クラッカーにチーズをのせて、食べる。
至福の時間。
タクミ・・・。
今頃、フランスのパリ辺りだろうか。
向こうは今何時なんだろう。
ふと、そんなことを思う。
ハルキといる時は全くといっていいほど思い出さないタクミなのに、今日は変だ。
自分の中にくすぶるハルキへの気持ちを抑える為に、意識をタクミに持っていってるだけなのか。
ハルキは、窓ガラスのそばにもたれて、ワインを飲んでいた。
「きれいだね。夜景って。」
「そうね。一気に何千人という人達が灯した光を見るって、ちょっと征服者的な気分にならない?」
ハルキはぷっと吹き出した。
「そう?そんな発想、ミクくらいじゃない。」
「どうして?だから、美しいと思うんじゃない。全てを手に入れた満足感が夜景の美しさを生んでるんだわ。」
「ふうん。満足感から美しいという感情が生まれるの?美しいから満足なんじゃなくて?」
「そう、少なくとも私はね。」
ハルキはうつむいて少し笑った。
おいしい。
クラッカーにチーズをのせて、食べる。
至福の時間。
タクミ・・・。
今頃、フランスのパリ辺りだろうか。
向こうは今何時なんだろう。
ふと、そんなことを思う。
ハルキといる時は全くといっていいほど思い出さないタクミなのに、今日は変だ。
自分の中にくすぶるハルキへの気持ちを抑える為に、意識をタクミに持っていってるだけなのか。
ハルキは、窓ガラスのそばにもたれて、ワインを飲んでいた。
「きれいだね。夜景って。」
「そうね。一気に何千人という人達が灯した光を見るって、ちょっと征服者的な気分にならない?」
ハルキはぷっと吹き出した。
「そう?そんな発想、ミクくらいじゃない。」
「どうして?だから、美しいと思うんじゃない。全てを手に入れた満足感が夜景の美しさを生んでるんだわ。」
「ふうん。満足感から美しいという感情が生まれるの?美しいから満足なんじゃなくて?」
「そう、少なくとも私はね。」
ハルキはうつむいて少し笑った。