眠れぬ森
何度も愛し合った後、私たちは手を握りあったまま、天井を見上げた。

「ミク。」

「ん?」

「ミクは俺のこと好き?」

「また野暮なこと聞くのね。」

「うん、聞きたいんだ。今、ここで。」

「好きよ。」

「そっか。じゃ、兄貴と俺とだったらどっちが好き?」

ハルキは天上を見上げたまま、言った。

初めて聞かれた。

そんな質問。

ハルキにとってはどうでもいいって思ってたのに。

「どうして、そんなこと聞くの?」

「聞いちゃまずい?」

「まずいことはないけど・・・。」

でも、どう答えていいかわからない。

ハルキも、タクミも好き。

でも、好きの意味が少し違う。

それを、ハルキに正直に伝えたら、きっとハルキはショックを受けると思う。

だから言いたくなかった。

「じゃ、聞き方変えるよ。もし、ミクが俺の子を妊娠したら、どうする?」

心臓がドクンと跳ねた。


正直、そこまで深く考えたことはなかったけど、実はそういうことが起こりえるかもしれないんだよね。

もし、私がハルキの子を妊娠したら・・・。

これだけ長い間日本を不在しているタクミには絶対ばれる。

タクミとの子どもではないっていうこと。

その時、私はどうするんだろう?
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