眠れぬ森
それから、着々と結婚に向けて準備が進められていった。

でも、タクミは相変わらず海外に出かけることが多かったから、その合間合間でこなしていかなければならない。

私の友人達には、「ミクは大変な人と結婚するねー」って同情されたりもしてたけど、私自信はそんなの一向に気にはならなかった。


結婚式の日取りも決まり、タクミの家族に会うことになった。

さすがに少し緊張する。

今までタクミしか知らない。

タクミがどんな両親に育てられ、どんな環境で生きてきたのか。

初めて目の当たりにする大事な日。


「初めまして。」

最初にそう迎えてくれたのは、タクミの弟、ハルキだった。

駅まで、タクミと一緒に車で迎えにきてくれた。

「あ、初めまして。よろしくぅ。」

慣れないながらも、ぺこりと頭を下げた。

ハルキは、そんな私を見て「ぷっ」と吹き出した。

「え?何か?」

「いや、ミクさんって兄貴から色々話は聞いてたけど、おもしろいなって。」

「は?」

私は軽くタクミをにらみつけた。



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