眠れぬ森
「ミズキちゃん?どうしたの?泣いてるの?」

ひょっとして、ハルキとあれから何か話たのかしら?

別れ話でも持ちかけられたとか?


「ハルキ・・・が。」

「ハルキくんがどうかした?」

一瞬、胸騒ぎがした。

「ハルキが・・・私たちを残していってしまった。」



「え?どこへ行ってしまったの?喧嘩でもした?」

「ち。ちが。天国に・・・逝ってしまった。」





私は、今、何を聞いたの?



体中に鳥肌が立った。

そして、自分が急激に小さくなっていくような錯覚。

目の前が薄暗くなって、足元が揺れた。


「ハルキが、今朝車で事故を起して、さっき・・・亡くなりました。」


うそ・・・でしょ。

体全身が震え出す。

受話器を持つ手が、信じられないくらいに震えていた。


私と別れて、電話をくれた、あの後・・・?

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