眠れぬ森
その後、タクミとハルキの両親に挨拶。

これは、さすがにけだるい雰囲気ではいけないと、気をひきしめたけど。

緊張の中、ハルキだけは妙に明るくて、私と目が合うたびに笑っていた。

タクミも緊張してたから、ハルキのそんな笑顔に随分救われたんだっけ。


そんなハルキは、帰りの車にも厚かましく便乗してきた。

さすがにタクミは苦笑い。

「おい、ハルキ。お前、もう少し気をきかせたら?社会人になったんだろが。」

ハルキはペロっと舌を出した。

「いいじゃん。兄貴はこれからいつまでもミクさんと一緒にいられるんだからさ。俺も幸せのお裾分けしてよ。」

どこまでも無邪気なハルキに、タクミも私も笑うしかなかった。


その後、三人で一緒に食事をして、別れた。

そして、その三日後、タクミはまた海外へ旅立っていった。

今度の戻りは2週間後。
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