眠れぬ森
私は、本当にしばらくぶりに日記帳をひっぱりだしてきた。

日記なんてつけられるような日々を送っていなかったから、以前書いたのはいつだっただろう?

タクミとの結婚を決めた時以来かもしれない。

結婚を決めた日の次のページに、タクミとの別れを書くなんて。

自分で笑えてきた。

あまりにも情けなくて。


私はこれまで何やってたんだろ。

情けなくてくやしくて、涙が出てきた。

一粒の涙がページをぬらす。

その一粒がにじんで、広がっていった。


今日の日付を書く。


『ハルキへ』
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