眠れぬ森
結婚が決まった直後に、働いていた仕事も辞めた。

特に執着するほどの職場でもなかったし。

タクミが海外に行ってる2週間。

特にすることもなく。

秋が深まっていく爽やかな空を見上げながら、ぼんやり過ごしていた。


そんなある日の午後。

突然、玄関のチャイムが鳴った。

あまりに緊張感のない格好をしていたもんだから少し慌てる。

とりあえず、髪を一つに束ねて、タンクトップの上にカーデガンを羽織って玄関に出た。


「こんちわ。」

そこには、ハルキが立っていた。

少し緊張した面持ちで。

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