眠れぬ森
15章 そして・・・
今、フランスにいる。

ふと、ハルキが「一緒に行こう」って言ってたフランスに。


フランスは自由があふれていた。

街角に射し込む光さへも、自由が沸き立っているような色に見えた。


私は今解き放たれている。

とても自然に自由を受け止めていた。


何のあてもなく、とりあえずやってきたフランス。

語学だけでも身につけようと通い始めた学校。

学校までの道のりに、小さな森がある。

その森は暖かく、いつも明るかった。

鳥がさえずり、木漏れ日が私の頬をやわらかく包んだ。


ねぇハルキ。

こんな森もこの世の中にはあったのね。

私、意外にも好きだわ。

そういう感覚、普通の人っぽくて笑える。
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