眠れぬ森
「あら?ハルキくん?」

ハルキはぺこりと頭を下げた。

「すみません、突然。」

「ほんと、びっくりだけど。」

思わず本音。

ハルキは、そんな私の一言にくすっと笑った。

「で、何かあったの?」

よく考えたら、私、すっぴんだし。

すごください格好してるし。

急に恥ずかしくなってきた。

ハルキは若いし、そこそこ格好いい子。

これからは義理のお姉さんになるわけだし、あんまり格好悪いとまずいよね。

お願いだから手短に話してね。

祈るような気持ちで、ハルキの次の言葉を待った。

「あの、ちょっと長くなりそうなんですけど、少し外に出ませんか?」

げ。

こんな格好で出られるわけないじゃない。

「中じゃダメ?」

思わず口にする。
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