眠れぬ森
ドニーと私は出会ってすぐに恋人になった。

それはとても自然な形だったと思う。

何もさえぎるものはなく、ただ、素直に従ったらドニーの手を握っていた。

こんなにも、何の不安もなく誰かの手を握れたのは初めてだった。


教室に入り、すぐにドニーに宿題の続きを見せる。

「ミク、助かったよ、ありがとう。何かお礼したいな。何がいい?」

「午前の授業が終わったら森へ行きましょう。」

「森?」

「そう、いつもの森。今日サンドイッチ作ってきたの。一緒に食べない?」

「いいね!ミクのサンドイッチはいつも最高だ。ランチが待ち遠しいよ。」

ドニーは、少年のような笑顔で、頬を染めた。


ドニーといると、私もよく笑った。





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