眠れぬ森
「じゃ、問題ないじゃん。今から迎えに行くから。」

「え・・・」

私の返事を聞かぬまま、携帯は切れた。


ふぅ。

小さくため息をついて、化粧台の前に座る。

くしゃくしゃになった髪を一つに束ねた。

この時間から、さすがに化粧をする気にならなくて、化粧水をたたきつけるだけ。

そして、ほんのり薄ピンクの口紅をさした。


部屋にかけてあったお気に入りのモスグリーンのワンピースを着る。

この色好き。

自分の顔色もきれいに見えるし。


ストッキングは・・・。

少し迷って履くのをやめた。

部屋を出て、リビングのソファーに座る。


時計を見ると午前1時少し過ぎていた。


そして、携帯が鳴った。

「俺。今下にいるから。」
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