眠れぬ森
「ハルキはもう忘れちゃったわけ?あんな重大なことしておいて。」

「重大?そうかな。」

そうかな。・・・って。

はぁ。

やっぱりこんな奴と一夜を共になんかするんじゃなかった。


「ミクは、今から何かある?」

「何かって。単なる散歩だけど。」

「そうなんだ。じゃ、俺も付き合っていい?」

「は?付き合うって、ハルキは用事があって、ここに来てるんじゃないの?」

「別に。なんとなく家に居づらくなっちゃって外に出てきただけ。」


ふぅん。

家に居づらかったんだ。やっぱり。

少し安心した。


「ね、ミク。」

「なに?」

「今からミクんち行きたい。」

「なっ。」

思わずハルキの顔を見た。

ハルキは不敵な笑みを浮かべていた。

「非常識なこと言わないで。」

「どうして?」

「だって、今はタクミだって日本に帰ってきてるんだよ。」

「帰ってきてても、今日はミクんち行かないでしょ?片づけないといけない仕事が入ってるみたいだったし。」

「そうなの?」

そうなの?って少し安堵してる自分は一体何?
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