眠れぬ森
「じゃ、いこ。俺、お昼食べてないんだ。何でもいいからミクんちで食べたい。」

そう言いながら、ハルキは私の腕を掴んだ。

そして、そのまま私の家の方に向かって歩いていった。


拒めば、いくらでも拒めた。

なのに、私の体は、ハルキを求めていた。

心は、煮え切らないまま。


家につくなり、ハルキは私を抱き締めた。

ずっとこうしたかったんだって、何度も言いながら私の頭のてっぺんから足先まで優しくキスをした。

きしむソファーの上で。


私は、結局そうなることを望んでいたんだ。

ハルキが最初にここへ来て帰ったその瞬間から。


だけど、タクミと別れられるかっていうと別れられなかった。

それがどうしてだかは、わからないけど。

心と体が別物なんだってことを初めて気付かされた日。


ハルキは夕方まで、私を何度も抱いた。

お腹空いてるはずなのに・・・ね。
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