眠れぬ森
30分ほど走ったところに海浜公園があった。
海辺のそばにハルキは車を停めた。
さすがにこの寒さじゃ外に出る気はしない。
「暖房がんがんに入れるから、少しだけ窓開けてもいい?」
ハルキは言った。
「そこまでして海の音が聞きたい?」
私はしかめっつらしながらも笑って聞いた。
「うん。ミクと二人で聞きたかったんだ。」
「ふうん。」
私は暗い海の方に視線を向けた。
悪い気はしなかった。
ハルキは私に遠慮してか、ほんのわずかだけ窓を開けた。
すぅっと冷たい空気が私の頬を刺した。
その箇所だけが、妙に現実味を帯びている。
そして、さざ波の音が静かに車中に広がっていった。
海辺には、私たちの他に何台か車が停まっていた。
きっと車の中では恋人達が愛し合ってるんだろう。
それ以外、こんな場所に来るなんてあり得ないもの。
きっと、私たちも。
でも、まずは話をしなくては。
「ハルキは、もうすぐ父親になるわけでしょ?」
「うん。まぁそんなとこ。」
「どうして、そんな状態で私とそういう関係を持てたわけ?」
「えらくこだわるね。」
「そりゃそうよ。私も一応女性だもの。もし私が妊娠したとして、タクミにそんなことされたらきっと許せない。」
ハルキは少しだまった。
海辺のそばにハルキは車を停めた。
さすがにこの寒さじゃ外に出る気はしない。
「暖房がんがんに入れるから、少しだけ窓開けてもいい?」
ハルキは言った。
「そこまでして海の音が聞きたい?」
私はしかめっつらしながらも笑って聞いた。
「うん。ミクと二人で聞きたかったんだ。」
「ふうん。」
私は暗い海の方に視線を向けた。
悪い気はしなかった。
ハルキは私に遠慮してか、ほんのわずかだけ窓を開けた。
すぅっと冷たい空気が私の頬を刺した。
その箇所だけが、妙に現実味を帯びている。
そして、さざ波の音が静かに車中に広がっていった。
海辺には、私たちの他に何台か車が停まっていた。
きっと車の中では恋人達が愛し合ってるんだろう。
それ以外、こんな場所に来るなんてあり得ないもの。
きっと、私たちも。
でも、まずは話をしなくては。
「ハルキは、もうすぐ父親になるわけでしょ?」
「うん。まぁそんなとこ。」
「どうして、そんな状態で私とそういう関係を持てたわけ?」
「えらくこだわるね。」
「そりゃそうよ。私も一応女性だもの。もし私が妊娠したとして、タクミにそんなことされたらきっと許せない。」
ハルキは少しだまった。