眠れぬ森
「ここから、また新しい関係が始まるかもしれないよね。」

ハルキは笑った。

「ばっかじゃない。」

怒ってるはずの私も思わず笑ってしまう。

こんなはずじゃなかったのに。

私はそのままシートを倒されて、深い愛の穴に堕ちていった。


何度も愛し合った後、ハルキは私の髪の毛を優しく撫でながら言った。

「俺の話。またいつか必ずするよ。やっぱり今は言うべきときじゃないような気がした。」

「お好きにどうぞ。」

私は乱れた髪を整えて、もう一度束ねなおした。


「ミク。」

「ん?」

「また会ってくれる?」

「知らない。」

「人ごとだなぁ。ずるいよ、ミクは。」

ハルキは愛おしそうに目を細めて、私の腕を何度も撫でた。

温かくて分厚いハルキの手。

さざ波の音を聞きながら、いつまでもこうしていたいと思った。


私のこれまでの倫理観が崩れた日。
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