眠れぬ森
「長いことひとりぼっちにさせてごめんよ。留守の間何もなかった?」

「なかったよ。随分一人の生活は長いからへっちゃらだわ。」

タクミは私の目を心配そうにのぞき込んだ。

「無理するなよ。」

「わかってる。」

「今度、長期の休みがとれそうなんだ。海外にでも行く?」

「え?本当に?長期の休みってどれくらい?」

「確か2週間はとれるはず。」

タクミが2週間も休みがとれるなんて、実は未だかつてなかった。
  
「へー。すごいじゃない。海外行けるよね。」

「そうなんだ。上司が新婚満喫してこいってさ。」

タクミはうつむいて笑った。

「いい上司ね。」

「なぁ、ミク。」

「ん?」

「せっかく長期で休暇があるし、そろそろ子どものこと考える?」




子ども・・・・?

タクミとの子ども?
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