眠れぬ森
タクミは家につくなり、ソファーの上にゴロンと寝転がった。

相当に疲れていたのだろう。

空港バスと電車を乗り継いで帰ってきたけど、タクシーで帰ってあげればよかった。

「なぁ、ミク。」

「ん?」

「夜ご飯さ、外で食べない?」

「え、いいけど。いつもは軽くお茶漬けでいいんじゃないの?」

「いや、今日はなんだか腹が減っててさ。ミクさえよければ、ちょっと外へ出てもいいかなって思って。」


でも、明らかにタクミは疲れてるよね。

「大丈夫なの?疲れてるように見えるけど。」

「うん、大丈夫。近場でさ、最近出来たっていうラーメン屋なんてどう?」

タクミがラーメン屋なんかに誘うなんて珍しいっていうか、初めてじゃない??

どういう風の吹き回しだろう。

「私はいいけど。ラーメン屋なんて、タクミらしくもない選択よね。」

「ふふ。まぁね。俺だってたまにはそういうジャンクなものも食べたい時があるんだって。」

タクミは頭を掻きながら、笑った。

「っていうか、本当はそういう系がすごく好きだったりして。」

「え!そうなの?」

意外な真実。

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