純愛 ~守りたい~
俺と桐也の母親は話しながら、桐也が目を覚ますのを待った。
『桐也…』
寝言で穂乃嘉が言った一言。
俺と桐也の母親は顔を見合わせてクスッと笑った。
俺も桐也の母親も穂乃嘉が可愛くて仕方ないんだ。
それからふっと桐也に目をやると、穂乃嘉の寝言に反応したように目を開けた。
『あ!』
桐也の母親は、半分叫ぶように言った。
『藍沢桐也くん。きこえる?』
先生がきくと、桐也は頷き、起き上がろうとした。
『痛っ……。』
桐也が言った一言に、周りにいた皆がホッとした笑みを浮かべた。