眠れる森
「そこの者、頭が高いとは思わないんですか?」
冷静沈着で名の知れたの王の側近ウィリアムが、冷たく言い放つ。
皆が一斉に振り向いてるにも関わらず、当の本人は興味もなさげに
「ああ、少し腰が痛くて…」
太く低い言い放つ声は、長年生きていることを語るに十分なほど
白の燕尾服を着た天使を思わせる“その者”は、体を王に向けてから言った。
「申し遅れました。
この度は、第二王子のご誕生心からお喜び申し上げます。」
そして一礼。
周囲から、ちらほらと聞える小声話し
“あの方がフェンネル伯爵か?”
“お姿は初めてお目にした。”
“白の燕尾服がよくお似合いね”
“ちょっと無礼ではありません?”
話しの内容は様々で、雑音の中で再び響き渡る低く太い声。
「ですが、その王子には苦を味わって戴きましょう。
その目に、その体に、」
”白の呪いを授かって戴きます。“