眠れる森
気付けば、ガウル達以外の隊長達の首や身体周りにはシルバーの細い糸がピーンと張ってあった
「うるさいって言ってんでしょ。
……少しでも動いたり声を出したら、切れ込み入れるよ」
ピッタリと肌に当たる為に、“何も”できない隊長達
並んでいるシヴァ達でさえ、生きた心地のしない恐怖に微量だに動けない
「傲慢?調子に乗ってる?
状況も把握しないで、まるで天狗にでもなったみたいな態度だね。
この場に誰がいると思ってるの?
たかが部隊隊長ごときが図に乗りやがって、殺してやろうか?」
ヒシヒシと伝わるシルクの魔力
「ねぇ、あんたら戦争舐めてんの?
女、女って馬鹿にして、彼女が言ったこと覚えてる?あんた達、馬鹿にしてる女の気配に気付けなかったんだよ。
………そんなちっぽけな魔力と自尊心で、戦争に勝てると思ってんのか?」
あの………さっきから口調、変わってないですか?
てか、薄(うっす)ら笑ってません?
「あーあ。
機嫌損ねちゃいましたね」
隣でレオがそんなことを言っているが、耳から耳へと通り抜ける………身体中から恐怖が沸き上がるのだ
「アホらし。
お前らみたいな隊長、いても兵を犬死にさすだけだし。
足手纏いだから、死になよ」