眠れる森
「・・・・・・ひっ!!!!!!!」
ピンと張られた糸が、隊長達の至る所を食い込みながら、薄く切り込みを作る
「あんたらの命乞いが、糸を伝って聞こえるよ」
椅子に座って、楽しそうに喉を鳴らしながら眺めているシルク
躊躇いのない殺気……
この人、なんなの …───?
「前線に立たない隊長にあの恐怖が分かる?」
「??」
声色が変わったのに気付いて、不思議に思い目線をシルクに戻す
「前線で闘う兵は、どの瞬間も今あんた達が味わってる死と隣合わせなんだよ。ただ兵に守られるだけのあんた達に理解できる?この冷たい恐怖が。
戦場では皆が平等だ。俺だって例外じゃない。わかったか」
抑揚のない声
冷たく言い放たれる
シュル....
交差していた糸が消える
「あぁ…、お許しを…」
「謝る相手が違うでしょ」
冷たく言い放てば、今度はレオとクリアの方に向いて頭を下げる
「頭を下げるなら、もう戻っては来ない魂にしてください。そして、背負いなさい。」
「「はい……。」」
伏せたままだがハッキリした真っ直ぐな返事
「私には一発殴らせてちょうだい。」
「!!!!!」
言った瞬間鈍い音が部屋に響いて、シヴァもガウルもギョッとする
クリアが一番近くにいた隊長を、硬いグーで殴り飛ばした